Dear Science / TV On The Radio最先端のジャンルレスなロックとして、世界中の評論家たちから凄まじいまでの賞賛を受けた前作「Return to Cookie Mountain」から早2年。 ・・・いや、それ聞いてないんですけどね(汗)。 初TOTRです。 今作も大絶賛で迎え入れられてます。 もはや各国の年間ベスト総ナメの雰囲気。 きっと、かのロッキング・オンですら年間ベストでTop10には入れてくるでしょう。 音楽に対して真面目で、実験的で、なのにポップで、しかも踊れて、泣ける。 曲中で徹底して描かれているのは傷ついた心や、消費社会、戦争、音楽、家族、愛…そう、この下らない毎日の重苦しい現状認識と、そこにあるはずの希望について。 しかも彼らの語り口はとても優しく、(安っぽい言葉を使うなら)前向きですらある。 そして特筆すべきは、、彼らは「文学」や「ヒーロー」や「物語」や「魔法」の力を借りず、愚直なまでに音楽の力だけでその「希望」を探している、ということ。 ジャケットの見開き写真に写っている彼らは、誰一人こちらを向いてはいない。そういうことだ。 2008年において、これ以上の模範解答は存在し得ない。本当に素晴らしい。 ポップ・ミュージックの一つの理想系がここにはある。 けど、言うなれば、 ここにはその「何か」はあり過ぎるほどあって、その「何か」が決定的に足りない―。 ということなんです。 Black KidsやThose Dancing Daysの舌足らずなデビュー作を褒めちぎってきた身としては、やっぱり素直にそう感じます。嫌悪感があるわけではないけれど、なんか、ただ素晴らしい論文を読んでいる感じというか、うーん、自分がおこちゃまなんだろうな。 ただ、⑥「Family Tree」はほんとに良い曲だと思います。 ニヒリズムやスノビズムを突き抜けた、渾身のバラッド。 この曲のイントロを聴いて購入決めましたから。 とりあえず、5年後には2000年代後半のクラシックの一つとして「In Rainbows」なんかと並び称されることは間違いないでしょう。
by fa60453
| 2008-11-12 01:58
| うんこレビュー
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