カテゴリ:00's Favorite Disc( 5 )

【00's Favorite Disc Vol.5】 Cut Copy - In Ghost Colours



去年聴いた時は何故かイマイチピンと来なかったこのアルバムに、もうすっかり恋をしてしまいました。なので、勢いで書きますけど、多分後悔はしないでしょう。

簡潔に言えば、ラプチャー以降の生音+エレクトロニクスのハウシーな感覚を持ったニュー・オーダー。メロディーは激甘。そんなもん最高に決まってます。気だるくて、でも隠しきれないロマンティックさも伏せ持ったバーニー・ライクな声に、近頃沈んでばかりのお子ちゃまモラトリアム心(何だそれ)はくすぐられまくりでございます。

M1~M3の眩いばかりの全能感と、何はなくともな激名曲"Hearts On Fire"。これだけでもう充分。あとはもう酔っぱらったし眠いしめんどくさいのでピッチフォークのレヴューを勝手かつテキトーに和訳しておきます。

「ポップ愛好家はここに多くの愛すべきものを発見することができるだろうし、そしてそこに何かしらの正義があるとするならば、夏の間中、彼らはこのレコードに夢中になるだろう。"In Ghost Colours"の得難い精巧さと簡潔さのコンビネーションはどんなリスナーにも笑顔をもたらし、それゆえ、例えそれが4月であったとしても、勝利の感覚さえ得ることができるだろう。」

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by fa60453 | 2009-11-10 03:07 | 00's Favorite Disc

【00's Favorite Disc Vol.4】 Cornelius - Sensuous



「Pitchfork」の00年代ベストに、「Point」が入ってないだと!?どういうことだ!!
と僕以外の何人の方が思ったかはわかりませんけど、90年代後半~00年代前半の日本のコレ系の音楽は、ほんとに面白いですよ。そんなに詳しくない僕でも、ハラカミさんとか、砂原さんとか、ボアダムスとか、自信をもって勧められる作品の名前が簡単にあがります。まあ、なんかのインタビューでナカコーが言ってたことの受け売りなんですけど。

で、この「Sensuous」、音楽的には、素人目に無理やり言っちゃえば、まあ、「Point」の細部への目線と、「Fantasma」のダイナミズムを足して2で割った感じとでも言いましょうか。それと、もう一つ重要なのが、シンプルな「歌」への回帰ですかね。これは次回作(=コーネリアスにとっての2010年代)の大きなキーワードになるんじゃないかと勝手に思ってます。

その「Sensuous」のツアーを収めたDVD「Sensuous Synchronized Show」も必見。ダウンロード文化によってライヴの重要性が再浮上してきた00年代においても、高い金払って見る価値のあるライヴってそうそうなかったと思うんですけど、コレは別格。例のグラミー賞にもノミネートされた映像と音楽の融合。見せ方がむちゃくちゃポップなので、小難しく考えなくても全然楽しめます。ウチの彼女もこれ見てすごいすごい言ってましたから。もうほんと素晴らしいです。

しかしまあ、なんとオリジナルな音楽なんでしょうか。ファンタスティックで、アメイジング!であります。
最近は復活YMOやオノ・ヨーコ(!)のサポートなんかもやってるみたいですけど、次回作までは、本作をよく噛んで待ちましょう。

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by fa60453 | 2009-11-06 03:38 | 00's Favorite Disc

【00's Favorite Disc Vol.3】 Supercar - Answer



遡ること4年前、ロッキンオンジャパンで行われた解散インタビュー(今でも大事にとってある)はメンバーのバンドの対する情熱の違いを残酷なまでに映しだしていて、かなりのショックを受けた記憶がある。特にフロントマンであるナカコーこと中村浩二のあまりに身勝手な発言には「ナカコーのバカ!ムキー!」ってなったけど、今は、まあこのアルバムで終わって正解だったんだろうな、と思うに至った。

当時「よくわからなかった」そのリズムや音色、言葉に今耳を向けて感じられるのは、圧倒的に「醒めた」感覚だ。「抑制」というワードを使った方がわかりやすいかもしれない。ミニマルで、無愛想。そう、全ては冷たく、淡々と進んでいく。2003年頃から始まった、ポストパンク/ニューウェーブ・リバイバルブームの潮流にほとんどタイムラグを置かず反応しているどころか、「Free Hand」に顕著なディスコ・ダブの感覚は、去年のHercules and Love Affairのキラー・トラック"Blind"にも通じるところがある。(と思ってたら、同じこと書いてる人がいました。)

2段飛ばしの勢いで尖鋭化してしまったサウンドに対し、歌詞の方もすごいことに。当代きっての若手売れっ子プロデューサー・作詞家となった(皮肉です。一応)いしわたり淳治は、日本語詞と英詞を用意し、どちらかをランダムでなぞっていく、という実験的な手法を編み出している。同じ意味の2種類の言葉の、その微妙なニュアンスの違いの隙間から、視界は次第に歪んでいく。

しかし、音と言葉の組み合わせにこれまでのような無敵感はなく、バンドの臨界点を一歩超えた辺りの位置を見事に記録してしまっていることもまた事実。野暮ったくなるのを承知で、アルバムのハイライト、「Siren」の歌詞を引用しておこう。

「船を出せ
sailing

セイレーンが呼んでいる
siren

終わる
the end

すべてが終わる
the end

セイレーンが呼んでいる
siren」

とはいえ、ここにはその2つが奇跡のようなバランスで成り立った傑作「Wonder Word」、どこまでも美しい、スーパーカー版"レット・イット・ビー"「Last Scene」という2つの名曲もある。所謂「98年世代」の中でも、とりわけ「Hivision」は多くのエピゴーネンを生みだしたけれど、この領域にまで達したフォロワーは未だ表れていない。孤高の怪作。真夜中のサウンドトラックにどうぞ。

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by fa60453 | 2009-11-03 04:09 | 00's Favorite Disc

【00's Favorite Disc Vol.2】 Razorlight - S.T.



今でこそジョニー・ボーレルの立ち位置は、「そのやんちゃぶりを、一歩引いて、みんなで笑って楽しもうぜ」的なイタイものになってしまっているけど、彼はそもそもリバティーンズ周辺の所謂ボーイズ・バンド・ブームの鬼っ子で、NMEからの注目度も高く、1stアルバムは年間チャートでも8位に選出されていた。で、彼はその後、そのルックスの端麗さ(笑)もあって、ハリウッド女優と付き合ったり、映画に出てみたり、セルブ文化との邂逅を果たす。結果、勘違い全開のエモーションが炸裂した傑作シングル「Somewhere Else」や本作を生み出したわけだけど、そんな彼に、NMEは冷たくなってしまった。(この2ndアルバムは年間チャートでガン無視!!)もったいないなあ。ヒップでいることがそんなに大事ですか?1年経てば違う音楽やってそうなウソつき野郎ばっかのロンドンで?

基本的に歌ってることは、伊達男の苦悩、ため息、ナルシスetc、で1stと同じ。ただし、新たなドラマーを迎えたことによって曲調やリズムパターンに幅が出ていて、ジョニー様のナルシス全開エモーションは水を得た魚のように活き活きと躍動している。プロデュースも的確だ。感情を音楽に変換するプロセスが純化されてる、というか、「ああ、コイツアホなんやろなあ」ってすぐわかるというか。「自分にウットリできるような男じゃないと、女の子はウットリできない!」って確かスヌーザーの萩原麻里さんが言ってたと思うんだけど、それに近い感じで、自分の中のナルシス成分が刺激されるっていうのかなぁ。彼の場合は変な自意識が全然無いから、爆笑しながら「うんうん、そうそう」って泣いちゃうような。

「またやってきてしまった朝のあの感じ」を完璧に表現した「In The Morning」のイントロや、「America」の「眠れないからたタバコに火を点ける。テレビでは、ボクの信じられるものなんて何ひとつやってない」という歌詞や、「I Can't Stop This Feeling I've Got」のリムショットや、Ohhhhh~!」という悩ましげなシャウトに、感情移入しない男なんて居ないと思うんだけどなあ。どうでしょう。

確かに「いや、無理」っていうのもわかるんですけど。実際、この次のアルバムはもう、さすがにキツかったからなあ・・・。でも、これは傑作。

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by fa60453 | 2009-11-01 04:13 | 00's Favorite Disc

【00's Favorite Disc Vol.1】 Spoon - Ga Ga Ga Ga Ga



























まぁ、なんでこんなことをやろうかと思ったのかと言うと、例のピッチフォークの企画とか、マサ太郎氏のブログ見て、聴き逃してたものとか、好きだったものとか、聴いてたらやっぱ楽しくて(笑)。その中でもひときわ輝いていたどころか、聴けば聴くほど味が出る、本作の魅力にまたやられてしまったもんで、ちょっと書きたくなったっていうだけなんすけど。

スプーンのデビューは96年。一度はメジャーからクビ切られたりしつつも、地道な活動でファンをじわじわ増やし、6作目にあたる本作で遂に全米ランク10位を記録。モデスト・マウスなんかと一緒に近年のUSインディーバンドの盛り上がりの象徴としてメディアに取り上げられることが多い、謂所苦労人バンドだ。

今作のキモは、その練り上げられた曲構成。そして、音の滑らかな手触りと、手の生き届いた細部。かと言って息苦しい部分があるわけではなく、生っぽさもきちんと残されている。(アコギやホーンの音、そしてVo.ブレットの声のしゃがれ具合、素晴らしい!たまらん!)まるで田舎の郷土料理を一流のシェフがモダンに仕上げたかのような、極上の一品。それはロック・ミュージックを生んだアメリカという国の、文化が生んだ豊潤な味わいだ。

作曲家のすぎやまこういち氏は以前、ロック・ミュージックを「ハンバーガー」と表現したことがあるらしいけど、こんな味なら、俺は毎日でもオッケー。実際、一向に飽きません。

ピッチフォークで00年代19位の、最高傑作と名高い「Kill the Moonlight」も聴いたけど、こっちのが好みかな。例によってこの作品を教えてくれたのはスヌーザー。こういうのもちゃんとピックアップしてくれるから、タナソウ教も捨てたもんじゃない。日本のボウディーズにも、ゆくゆくはこんなアルバム作って欲しいなーなんて。

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by fa60453 | 2009-11-01 01:07 | 00's Favorite Disc