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Tonight / Franz Ferdinand














2ndの性急なギターロックから一転、ギターはかなりの割合でシンセに取って代わっている。流行っちゃ流行なんだけど、ミーハーなだけではなく、どこを切ってもフランツ印がしっかりと刻まれているところはさすが00年代「踊れるロック(なんだそりゃ)」の先駆者。

強調された腰にくるベースの音と、ぐっと抑制されたBPMで誘うストーリーは、ちょっと惨めで、切ないロマンス。そして孤独、孤独、孤独。
ぐっと大人っぽくなったフランツの3rdは、どんな夜でも彩ってくれる、上質のサウンドトラックでござい。

しかし彼らは芸人魂を忘れない。
インタビューでは「ま、僕が一番踊るのを楽しめるのは、カーテンを閉めきった部屋のベッドの上で、一人で踊る時なんだよね(笑)。ベッドの上でとんぼ返りしたりするんだ(笑)」という発言も。わかるなー笑。
ブラーのデーモンは例えそうであっても、多分こんなこと言えないよね。(それが彼のチャームでもあるんだけど)

「ZAZEN BOYS4」の「The Drifting~I Don't Wanna Be With You」をよりセクシーにした感じ(?)でとってもヤバイ「Lucid Dream」からチルアウトしていくラスト3曲の流れがとても良い。
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by fa60453 | 2009-07-25 01:09 | うんこレビュー

魂のゆくえ / くるり














日本のロックシーンを見渡して、ここ10年間の若手バンドの中で最も「偉大なバンド」はくるりでしょう。異論は認めません。ていうか、ある?

駄作無し、かつ、どのアルバムでも何らかの挑戦や新しい価値観があるくるりのアルバムですが、一番好きなものは?という問いがあったとして、皆さんは何と答えますか?
おれは「ベストアルバム」です。え?反則?うるさいな!だってそうなんやもん!

ベスト(Tower Of Music Loverね)の「リバー」~「ハイウェイ」~「飴色の部屋」~「赤い電車」の流れが自分がくるりのことを好きな一番の理由だ、ということを言っていた知り合いがいてね。その時の俺は、もうX JAPANのバンギャのヘドバン並みの勢いでうなずいたね。ここはほんとに、何回聞いても泣くね。

で、このアルバム。
曲の骨格の中にピアノがある「夜汽車」「つらいことばかり」「さよならリグレット」「かごの中のジョニー」「魂のゆくえ」(あとボートラ扱いの「三日月」も)が曲としては出色だと思う。逆に、ニューヨーク録音の岸田ギターが前面に出た曲たちはちょっと解釈が難しい。ブルース、カントリー、その他ルーツ・ミュージックをさらっとやれるのはすごいと思うんだけど、全然ドキドキしない。達身さんがいなくて、オーケストラがなくて、ピアノもない、さあどうしよう、という消去法の果ての選択だったのかな。その飾りの無い分、バンドのコアが表出している、というのが今回のうたい文句にはなってますが、うーん。

ただ、最終的にその「コアの部分」、もっと言えば歌詞でまとめたアルバム(らしい)なので、まとまりは悪くない。ていうか、考えてみればおれがくるりを好きな理由、前述のベストの曲の並びって、「孤独」「旅立ち」「ポップに殉ずる」というくるりのコアにあるテーマを凝縮させたような曲なんですよね。

なので、「魂のゆくえ」は、「うーん、好き…かも」という、女の子に言われたらムチャクチャドキドキしそうなことを言ってしまいそうになるアルバムで、ドキドキすんのかしないのか、好きなんか嫌いなんかどっちやねんハッキリろやボケ、と思わず口に出して聞いてしまいそうになる、恋愛初期の一番楽しい部分のような気持ちになるアルバムです。
なんやそれ。よくわかりません。でもよく聴いてます。
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by fa60453 | 2009-07-19 01:10 | うんこレビュー

かるちゅある

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例えどんな仕事をしようが、どんだけ忙しかろうが、どんだけ金が無かろうが、いくつになろうが、映画見て、ライブ言って、CD買って、知り合いと酒飲みながら語り合っていたい。
絶対的にカルチュアル(cultural;文化的な)でありたい。
そうであることをいつまでも楽しみたい。

まぁこれ、以前タナソウがビークルのヒダカさんにインタビューしてた時に言ってたことでもあるんですけど。
(以下、その記事より抜粋)

ヒダカ「やっぱり、『カルチュアルであるってことを楽しめるかどうか?』っていうのが、結局、その後の人生を決めるような気がしますよね。最近の派遣切りとか見てても、『仕事が無くなったら、僕は全部終わりなんです』みたいに言う人がいますけど。」

タナソウ「そうそう、別にまったくそんなことないんだけど、何故か、そう思い込んじゃうんだよね。」

ヒダカ「でも、我々って、別に仕事がある/ないで音楽聴いてないじゃないですか。空気を吸う、水を飲むってのとあんまり変わらないっていうか。」


もちろん、留年しかけで就職も決まってない、怠情な自分への言い訳も何%か入ってることは認めます笑。
でも、やっぱそれだけじゃない部分もあるんですよね。

フェス行きたいし、エヴァも見たいし、春樹も読みたいし、それについて話し合ったり喧嘩したり、色々したいんです。その時間こそ至福っていうかね。そういうことの積み重ねが実は一番大事なんじゃないかっていうね。
某ジュリー氏と俺のイエモンを巡っての議論とかね、やっぱ楽しいもんね笑。得るもん結構あったりするしね。
逆に言うと「好き」とか言ってるくせに何にも語れないヤツ、語れない「場」、語れない「時間」ほどしょーもないもんもないなと。

例えばダイノジの大谷さんのブログ
読んでると「うんうん!」と「ハァ??」が5秒に一回ずつくらい出てくるんだけど、それこそが大事なんであってね。でも、そういうの、難しいのかもしれないけど、俺の大学での人間関係の構築がうまくいっていないせいもあって(笑)、すっっごい少ないんよねえ・・・。

というワケで、試験が終わって、夏休みになったら、みんなでなんかそういうのやろうよ。かまって下さいよ。




ていうか、そんなんじゃなくてもいいから、もう普通に飲みたいよ。
できればそんなんがいいんだけど笑。




あ、そんなこと言ってるから友達が出来ないのか。
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by fa60453 | 2009-07-18 01:49 | 雑記

三文ゴシップ / 椎名林檎














いくつかの傑作シングルを除いて、個人的にはよくわからなかった、もっと言っちゃえば駄作続きだった東京事変はただの延命措置だったとしか思えない。ただ、バンドや映画のサントラ、数々のコラボレーションで培ったであろうアレンジの妙がここではかなりの高みに達している。それはまるで、虚構ではないディズニーランドを音楽の力で創造しようとしているかのよう。

そして特筆すべきは、その辺の女子大生を喜ばせそうな内面をほじくり出した扇情的な唄ではなく、明らかに社会的なメッセージを歌おうとしていること。今彼女の興味は完全に外へ向いている。


Well you design the vogue, I just ride
All you think is win, it makes me cry
You play the hero in wars you start
And I shed a tear from one blind eye

「流行」

一体いくら掛かるの
気持ち良い生活まで
とても間に合わない
身体と時間が‥無い

(中略)
したいこと見付からない
嘆いては恰好付かない
怒ったように慎め口
上は見ないぜ
したいことだけしてたい
悪いのは何奴だ顔見せな
始終くだを巻いていても
お願い夢を見させて

「労働者」

生きているうちはずっと句だと
そう裏付けて
充たして
いまを感じて覚えて何時もより
生きて、生きて、活きて居よう

「旬」

お腹が空いて考える
さあ何を犠牲に満たそう
喉が渇いて考える
さあ誰に恵んでもらおう
どうにも差し出せる品が無い
あなたもそうでしょ?嗚呼!

「凡才肌」

身体ごと使い切って孤独の極みを視よう
嫌われて御出でよ
向かい風、乾杯!
帰れない、今日は帰れない
独りぼっち“同志”
きっと又逢えると笑ってよ
それを糧に生きるさ
君が生モノだから

「余興」


これはニートとか派遣切りとか不景気とかグローバリズムとか、そういう問題に対する彼女なりの回答であると言っていいんじゃないでしょうか。当然ボーナストラックは「♪報酬は入社後~」になるわけです。
「生命の輝き」にメッセージが帰結しているのを見ると、「キラキラ!」とか言ってたバンドが頭をかすめますけどね。はは。


この人のプロフェッショナリズムはこのところずっとしんどそうに映っていたけど、こうやってバランスの取れた作品を出されると、全てのポップ・ミュージシャンは彼女を見習わないといけないな、と思うんじゃないでしょうか。敢えて文句つけるなら、「ありあまる富」がアルバムに収まっていればなぁーと。でも傑作。
やっぱり今年は邦楽いいです。

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by fa60453 | 2009-07-16 23:55 | うんこレビュー

最近は
















最近はこんな感じ。邦楽ディグブームはまだ続きます。


ソカバンのライブに行った。2ndは明らかに問題作だったけど、ライブはそれを補って余りある凄さだった。ほんとに凄かった。時代に真っ向から殴りかかっていた。隣にいた彼女は2曲目で既に泣いていた。そこのあんたも見たほうがいいよ。ほんとに。このライヴについてはもっと言いたいんだけど、これ以上はなんかまだ言葉にできない。

終わってラーメン食ってその辺をプラプラ歩いていると、ライブハウスの前で曽我部さんに遭遇。勇気を出して手を振って「めっちゃ良かったっす」と告げると、若干怪訝な顔で「ありがと~」。ははは。ほんと楽しかった。





この前バイト先に会社の部長が来ていた。彼は休憩中ずーーっと雑誌「Groove」を読んでいたので、「DJやってるんすか?」と話しかけると、にや~っと笑う部長笑。そこからレジ閉め作業をしている間中、山下達郎やはっぴいえんど、ジャズの話、12インチの素晴らしさ、ディグの楽しさ、ダウンロードのくだらなさ、などなどで盛り上がった。さらにおっさんは止まらない。少年のような笑顔で、少し恥ずかしそうな表情で、机の上の資料をほっぽりだして話に興じる。ああ、年取ってもずっと音楽好きでいていいんですね、部長!!
しかし、俺はお金の入力を間違ってしまい、次の日に部長から「おまえ、コラ!」と怒られた。いや、あんたの話に付き合ってたせいだろ、とも言いたかったけど、まぁ仕事は仕事ですよね。すんませーん。

TOEICの勉強をしたことや、昔の仲間の結婚式の司会や、新しいバイトの人たちとファミレスでお互いを探りあいながら色々話をしたのも本当に楽しかった。俺のB型論は面白いらしい。あの時感じた朝の空気の気持ちよさ、新しい風の心地よさ。小さなコミュニティに安住して充足感を得ることのなんと下らないことか。


夏が来ますね。果たして俺は卒業&就職できるんでしょうか。
お金がないからフェスとか行けるかどうかわからんけど、楽しいことや新しいことをたくさんしたいな、と思う。
この曲とか聴きながらドライブしたら、最高やろなー。
クサすぎるか。いや、そんなことない。この「Baby・・・」の歌い方は日本最強。
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by fa60453 | 2009-07-13 19:02 | 雑記

トウキョウソナタ














崩壊していく家族の日常、それぞれに突然起こる非日常、訪れる逸脱へのチャンス、それを放棄し日常へ戻り、家族で囲む食卓。そこに宿るカタルシス!
「食べる」ということは「生きる」という力の象徴だ。

そしてラストに描かれる希望。ベタな感動に収まってしまってもおかしくないあんなモチーフを、よくもまあ。
ゾクゾクするようなカットも多数。さすが黒沢清。すげーもんみた。
でも、役所広司は違う人のほうが良かったかも。(ちょっと三谷幸喜的コミカルさが出てしまっていて、それはあの役には不必要だと思った。)

椎名林檎の「ありあまる富」やこの「トウキョウソナタ」。
日本の現代社会に蔓延する病理への回答の一つとして、素晴らしい傑作だと思います。



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by fa60453 | 2009-07-10 00:31 | 映画