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8 / Cali≠Gali














桜井青と石井秀仁。
V系全盛期のシーンにおいて、異型かつ破格の才能を持っていた2人を擁する伝説のバンド、カリガリ。

彼らは「メイクするのは売れるため」「この音楽をこのシーンでやることに意味があるんですよ」などと発言し、歌詞では同業者批判を繰り返した。つまり、シーンへの愛情と憎悪でいっぱいだった。

これは、日本のポップミュージックシーン最重要人物の一人、鈴木慶一をプロデューサーに迎えて製作された2003年発表のアルバム。

おそらくは音楽だけで勝負できる自信があったのだろう。
アートワークでは、陰鬱でゴシックなビジュアルやこれまでの~実験室というタイトルをやめ、ナチュラルメイクのメンバーが青空の下でTシャツを干している。

日本文学や歌謡からの影響を時に陰鬱に、時に繊細に音楽に落とし込む、数少ない「本物」の匂いがプンプンする、桜井の曲。(彼はゲイである。)
ニューウェーヴやレフトフィールド・ポップにルーツを持ち、大胆な打ち込みも駆使する、石井の曲。
様々な曲調を難なくこなす優秀なリズム隊。

鈴木という師を得た石井の曲が水を得た魚のように生き生きと躍動している反面、桜井の曲は精細を欠いているが、ラストトラックの名曲「青春狂騒曲」が描く晴れやかな情景は、なにか吹っ切れたものを感じさせる。
このエゴとエゴのぶつかり合いから生まれる、壮絶でありながらも本物の美は、まさにカリガリ版「ホワイトアルバム」とでもいえよう。
「音楽の力」で下らないジャンル分けから解き放たれた彼らはこの瞬間、間違いなくただのロック/ポップ・ミュージシャンだった。

このアルバムをもって無期限活動休止。

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by fa60453 | 2009-08-26 00:37 | うんこレビュー

ビートルズ俺の10曲




1.Two of Us
2.Don't Let Me Down
3.And Your Bird Can Sing
4.I've Got a Feeling
5.Twist and Shout
6.Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey
7.I'm Only Sleeping
8.We Can Work It Out
9.Oh! Darlin'
10.Rain


スヌーザーを受けて、俺も今の気分で単純に好きな10曲。ちなみに一番好きなアルバムは「Let It Be」で、「Don't Let Me Down」も含めるとそこからの曲が多いかな。

当時もうバラバラだったビートルズをポールが集めて、「もう一度ライヴバンドとしてやり直そう」とメンバーに持ちかけたんだけど、みんなライヴはヤダ、と興味を示さなかった。じゃあ間を取って、ライヴ・レコーディングならどう?ということで始まったのが、幻のアルバム「Get Back」のセッションなんだけど、話が発展して、レコーディングの様子を映画にしよう、という企画を立ててしまったのが運の尽き。スタジオは寒いわ、ジョンとヨーコはラブラブだわ、カメラ回っててイライラするわで、メンバーの仲はさらに険悪に。セッションはグダグダで、結局完成まで漕ぎ着けなかったっていう。(それじゃ最悪すぎるってんで、最後のケジメとして行われたのが、アップル社屋上での無断ライヴ。)

そのあと最後の花を咲かせようとして、メンバーは再び結束、「Abbey Road」を完成させ、バンドは解散。
世界中に失意が吹き荒れる中、残された「Get Back」用のセッションのテープの編集を任されたフィルスペクターによって、音をツギハギしたり足したりしてなんとか形になったのが、その「Let It Be」…という、いわく付きかつ、完成度も高くないのであんまり人気のない(?)作品なんだけど、俺大好き。

「どいつもこいつも『おれがおれが』ってうるせー。ポールもおまえも善人面してんじゃねーよ」というジョージの「I Me Mine」、「おめーらはミソクソ言いやがるが、おれはこいつ(ヨーコ)とやりまくるぜ」というブルースベースでリンゴのドラムが冴えるジョンの「Dig a Pony」、言わずもがなの「Let It Be」、発明に近い新しいロックンロールのグルーヴを持つ「Get Back」などなど、他のアルバムのような革新性はないけれど、決して悪くない曲たちが並ぶ。
頂点を極めたロックから、初期のようなロックンロールに回帰しようとしていたためか、さらっと聞けるシンプルさもこのアルバムの魅力の一つ。(自分のiTunesの再生回数はこのアルバムがダントツでトップ。)

アルバムのオープナーは、ポールの可愛らしい小品「Two of Us」。
「俺たち二人にはこの先に続く道より遥かに長い思い出がある」「僕たち二人レインコートを着て陽差しの中にぽつんと立つ/僕たち二人紙切れを追いかけてもどうにもならない・・・・家に帰るところだよ」と、ジョンへの気持ちを露にするポール、それにコーラスをつけるジョン、ポールがギター持っちゃってるからしゃーなしでベースラインをギターで弾くジョージ。「Get Back」にも登場する「元居た場所に帰ろう」というモチーフ。叶わなかった約束。どうしようもなく泣ける。

…ああ、「Let It Be」の話になってしまった。
でもこの、もう人間関係グチャグチャで、楽しかった時代を思い出して、泣きそうになって、もう一回みんなで力合わそうとして、でもやっぱエゴむき出しで、結果やっぱ才能爆発っていう、壊れそうな(壊れてるか)バランスが好きなんだな。

その他、「Don't Let Me Down」のジョンのボーカル、ポップな「And Your Bird Can Sing」、「I've Got a Feeling」の2つの曲を一つにしちゃう無理矢理感、カラオケで歌うとヒドいことになる「Twist & Shout」の絶唱、「Everybody's Got~」の無敵感、「I'm Only Sleeping」の倦怠感、「We Can Work It Out」でのポールの眼差し、「Oh! Darlin'」のポールの頑張り、「Rain」のポールのベースライン、エトセトラエトセトラ。

ま、クソみたいなベスト「1」だけ聞いて、ビートルズ知ってるような気になってる人たちもとりあえず1stから順番に聞いてみれば?と。リマスター盤、レンタルでもすぐ出るらしいし。
絶対に聞け!とは言わないけど、こんな美味しいもん食べたことないなんて、可愛そうやね、ははは。みたいな。
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by fa60453 | 2009-08-19 00:49 | 音楽ネタ

Just tell me nothing's wrong, today

書きたいことはたくさんあるけど、このブログ向きのことを何個か。

・remix誌のサイズが大きくなっていた。デザインは「SWITCH」とか「EYESCREAM」辺りの雑誌を思わせるポップな感じに。別に広告が増えた気配はない。なのに値段は安くなってる!なんで?特集は「セカンド・サマー・オブ・ラブ」。レイヴカルチャー。野田勉の原点。あー、メタモに行きたい。スタボも廃刊(最終号よかった!マスト!!)だし、remixには頑張ってもらいたい。

・で、そのremix誌に三田格氏のコラムが載っていた。
曰く、「音楽は言葉で出来ているのだから、『絶句体験』を誰かとのコミュニケーションによって明瞭に言語化すること。ほかにその体験を有効にする方法はないし、第一、音楽を聴いている意味も価値も無い。」だそうだ。心の底から同意。

巷に蔓延する「音楽を言葉で語るな」というクリシェ。mixiレビューなんかでよく見かける「説明したってわかんないだろうから、とにかく聴いてみてください」とかいうアレ。表面的な印象論、クソの役にも立たん技術論でごまかすことしかできない自称「音楽好き」。

この三田格言うところの「音楽を言葉で語るな教」が普及してきた原因として考えられるのは、
・自分の属する文化的トライヴへの帰属意識のアピール=「居場所」への渇望はあるが、
・何が、どのようにして起こっているかを紐解く作業に必要な知識が膨大であり、どう語っていいのかわからない
ということなのではないかと。

「語る」という行為は、マイケル亡き今、細分化された文化の中で、自分は何が好きで、何が嫌いか?今、どこにいて、何をしているのか?を知ること、知ろうとすることだ。
「どう語っていいのかわからない」ならば、語る言葉を持つ為の努力をすべきだ。
それが「カルチュアル」であるということなのではないのか?
コミュニケーションこそが…なんてね。ははは。
「すべき」とか言っちゃって、煽るのはやっぱり性に合わないっすね。

・そんな状況に一石を投じる(?)、マサ太郎氏のブログの日本語ロックランキング企画の為に、恥ずかしながらちょこっとレビューを執筆中。凄い方ばっかでちょっと恐縮してますが、本っ当に素晴らしい試みだと思います。皆さんも是非読んで!

・最近なんか色々楽しい。

・で、明日はサマソニ!!!!!!






しゃー!!





もっかい書こ。

明日はサマソニ!!!!!!
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by fa60453 | 2009-08-09 02:00 | 雑記