Just a Souvenir / Squarepusher最近思うのは、やっぱコミュニケーションやなってこと。 自分で抱えすぎて、「ふんがー!」ってなってるときにめっきり会ってなかった知り合いから電話がかかってきただけでなんかハッピーになったりできるのってすごいことやし、逆に高校の時の友達からの飲み会のお誘いメールに返信し忘れるのとかってサイテーやし笑。 音楽をやる、というのは完全にコミュニケーションやと思うんやけど、俺が俺がっていうエゴよりも、オーディエンスとか仲間との関係性をどうデザインするかっていうことが一番重要なのであって、その気持ちだけが少しずつ世界を変えてゆくんだと思う。 スクエアプッシャーことトム・ジェンキンスが以前「聞いた人達の一日が少しでもハッピーになれば良い。」と語っていたのも、多分そういうこと。 新作。今回もすごい。 何がすごいって、コンセプトがすごい。 「このアルバムは、あるいかした、美しいロック・バンドが行った超絶的なギグを鑑賞する、という白昼夢として出発した。 ~中略~ ステージには川が出現し、ドラム・セットの下を流れているように見えた。彼らは異界の装置に電気を使っていたので、僕はミュージシャンの安全が心配になった。僕が思い切って口を開こうとしたその時、カヤックを漕いでいなかったバンドのメンバーたちが、局地的な激しい雷雨に包まれた。電流がドラマーの左手やギタリストの歯、ベースアンプの後ろに置いてあった食虫植物など、さまざまなこぶ状の地点に弧を描いた時、この高圧電流の壮麗なショーで彼らが焼かれて灰になっていないことに気付き、ぼくは安堵した。いや、だが、これは、上質なマホガニー製の喚起性キャビネットに封じ込められ、ベースが実際、まるでチェーンソーを使い演奏されるRSJのような響きを伴うベース・ディストーションを形成する効果があるようだった。 ~中略~ あの世界を経験した後、何をすべきだろう?僕の中には突き上げるような責任感が残った。 あなたたちがこれを楽しんでくれることを祈っている。」 ↑セルフ・ライナーノーツより なんと今回彼は、自分の見た夢をアルバム一枚使って再現してます。 相変わらずブッ飛んでんなー笑。 全編に渡って繰り広げられるその超絶ギグが、トムの超絶鬼テクベース、ギター等で再現されていて、所謂「ロック」的な音は、これまでに比べて格段にわかりやすく、今までのように迷路をぐるぐる回っているような感覚や、ドリルンベースのカオスはない。 これが世界中のリスナーの人生にどんな影響を与えるのかは知る由もないけれど、「あっほやなー」と笑いながら発泡酒を飲んでいる僕にも、「こんな夢を見たんだ!すごいだろ?」と息巻いているトムの嬉しそうな顔が伝わってきて、それだけでハッピーになるような、ならないような。そもそもトムって気難しそうだよなー、でも変人の作る音楽ってなんでこんな最高なんだろう、とか思いながら。 そう、重要なのはライナーの最後の文章。 あるアイデアを、みんなが楽しむために、コミュニケーションのツールとして提示すること。 その為には開かれた表現でなければいけない。 前々作「Ultravisitor」(家宝ものの傑作!)の最後で「Every Day I Love」と言ってみた彼は、チープで親しみやすいメロディがいっぱいだった前作「Hello Everything」を経て、こんな表現に辿りついた。
by fa60453
| 2008-10-25 01:40
| うんこレビュー
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